注:日本については言及無し。
2. 貿易
(1) 世界貿易
世界貿易機関(WTO)が98年12月3日発表した98年版年次報告によると、世界のモノの貿易の伸び率が数量ベースで98年は前年比4─5%に鈍化すると予測。アジア通貨危機や日本の景気低迷の影響を受け、好調だった97年の10%の伸びから大きく減速。ドル高や原油価格下落が響き、金額ベースでは前年並かやや下回ると見ている。98年はアジアの域内貿易縮小が続くほか、年初まで貿易活動が活発だった中南米でも7─9月期の輸出は前年同期を下回った。アフリカや中東は原油など一次産品価格の下落が打撃となり、世界貿易拡大から取り残されている模様。(98/12/4日経朝刊9面)
(2) 98年11月の日本の貿易統計(通関ベース)
日本の98年11月期の輸出は、総額で12.7%の減で87年5月(同12.8%減)以来の落ち込み幅。対米輸出は好調を維持してきた自動車、鉄鋼の伸び悩みに事務用機器などの減少が重なり、96年3月(同0.6%減)以来のマイナス。EU向けの輸出は1.7%と横ばい。アジア向け輸出は通貨危機以来の需要低迷で11カ月連続の大幅減。