日本財団 図書館


第4節 経済等の見通し

 

1. 経済

(1) 世界経済見通し

世界銀行が98年12月2日発表(その後12月21日下方修正)した98─2001年の世界経済の見通しによると、標準ケースと悲観ケースの2種類に分けた予測は次のとおり。('98/12/3日経朝刊5面、12月21日下方修正)

この世界経済見通しによれば、アジア経済は、その通貨危機勃発時の危険状態を脱しつつあると見られており、海運に関しても、一時期、現地邦船社筋の読みでは、アジア新興経済諸国の輸出20%減、輸入40%減と見られてきた数値が99年には若干でも上向くものと見られる。

 

Table I.2-4 1.(1) 世界銀行:世界経済見通し(98/12/2及び12/21下方修正)

024-1.gif

「*」は98年12月当初発表予測。

 

IMFの追加下方修正:主要先進7カ国中日本だけが大幅下方修正になった。日本の景気後退は以前の予想より深く長くなる(金融部門の困難と民需の停滞に加え、円高進行に伴う輸出の減少が更に足を引っ張る)と見ており、世界全体の実質成長率の下方修正が小幅にとどまったのは、8月のロシア経済危機以降の国際金融市場の混乱が一段落したと説明。米国の99年の経常収支赤字は2880億ドル(98年2310億ドル)と更に拡大すると見ている。日本の黒字は98年の1280億ドルから99年1390億ドルに増えると見ている。

東アジアでは、99年見通しは標準及び悲観2ケース共にマイナス基調ではあるが、標準ではマイナス幅が大幅に改善される見込みにある。我が国も我が国発の世界不況は起こさない決意であるとされ、とりわけアジアに対しては300億ドルの新宮沢構想による支援を進めつつあり、我が国自体の不況対策でも戦後最大規模の補正予算を組んで景気回復に取り組みつつある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION