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伝えられるとおり、現在、李総統の下、政局は比較的安定しているが、本省派(独立志向:野党、民主新進党など)と外省派(与党、国民党)を抱え、多くの国民は中国を刺激することなく現状こそ独立した状態であると見て、難しい選択の一つではあるとしながらも現状維持を望んでいる模様。

2000年の総統選挙の前哨戦とも位置づけられる98年12月5日の台湾の統一選挙:台北、高雄両直轄市、立法委員(国会議員に相当)の選挙で、特に台北市長選挙において、現職で台湾の独立を主張する野党・民主新進党の水扁氏を破り与党・国民党の馬英九氏が新台湾人を主張して当選。高雄市長は野党民進党が僅少で勝利したものの、立法院は李登輝総統率いる与党国民党が安定過半数を確保している。

1998年11月にはトンガが台湾と断交し、同月マーシャルが台湾を承認したが、世界の台湾承認は27カ国でしかも小さい国が多い。台湾は先進国との間では経済を中心とする実務面で関係強化を進める方針をとっているが、ライバル中国の経済面での台頭も著しく、なかなか外交面でポイントを挙げるのは難しいのが現状。(98/12/7日経朝刊9面)

 

 

 

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