第I部 分析と提言
第1章 政治情勢
Source:JETRO情報及び調査期間中の日経新聞などニュースメディア情報(与件として要約)
第1節 インドネシアの政治情勢
インドネシアでは、アジア通貨危機直後の政治混乱で1998年5月21日スハルト長期(前)大統領政権よりハビビ大統領体制に交替したが、軍の政治関与や議員構成などの問題を抱えている。
伝えられるところによれば、総選挙は1999年6月7日、正副大統領を選出する国民協議会は99年10月28日から開くことを暫定的に決めているが、政情は引き続き不安定。順調に行けば、99年11月10日に新しい正副大統領が就任する手順が考えられている模様。
ルスマンハディ国家警察軍長官によると、98年のインドネシアの全国犯罪件数は対前年比10%増の15万7,180件。このうち武装強盗は31%増の5万4,625件、自動車やバイクの窃盗は40%増の2万4,179件に達した。この統計は全国各地でほぼ連日起きている住民暴動による略奪や放火を除いており、実際の犯罪件数はさらに多い。
これらの犯罪増加は貧困、失業(総人口の1割に当たる2000万人と推定)が増大・深刻化していることが原因と見られ、一方で国軍を中心とする治安当局の権威の低下があり、総選挙が予定される99年も犯罪が増加すると予測。(99/1/11日経朝刊8面)
調査団現地滞在中は、邦船社提供のデモ情報と警備個所を避けて行動し、また、ホテルからのチラシには極く周辺の外出も引ったくり事件もあり車利用がすすめられる治安情勢であった。
第2節 マレーシアの政治情勢
マレーシアは、マハティール首相率いる長期政権のもとで、No.2であったアンワール(元)副首相の逮捕問題を内包している。
調査団がクワラルンプール入りした98年9月下旬には丁度Commonwealth Gameのマレーシア開催を終え、同月28日(月)がそのご褒美としての休日に指定されていた。