4. 調査対象諸国の港湾
アジアには、先進国である我が国及び韓国の諸港湾(我が国の場合は港湾料金が高く競争力上の問題ありとされる)のほか、開発途上諸国に属しつつも強力な中国や、同国に返還された香港や台湾及びシンガポールなどアジアNICSの諸港湾がひしめていてる。
(1) インドネシア:主要港湾:Port Tanjung Priok
(2) マレーシア:主要5港:Port Klang、Penang Port、Johor Port、Kuantan Port、Bintulu Port。他に開発中のTanjung Pelepasがある。
(3) タイ:主要3港:Bangkok Port、Laem Chabang Port、Songkhla Port
(4) 台湾:主要5港:基隆(Leelung)、高雄(Kaohsiung)、花蓮(Hwalien)、台中(Taichung)、蘇澳(Suao)
5. Maritime Centerの役割:(質問票回答)
(1) インドネシア:将来、Batam Bojonegara(W. Java) Bitung(N. Sulawesi)がHub Portsとなるように検討中。
(2) タイ:Laem Chabangはpost Panamax船対応として拡張し、直航港にするとしている。
(3) マレーシア:1952年Merchant Shipping Ordinanceの見直しの過程で外国船主がマレーシアに登録できるよう検討している。(第二船籍政策)
(4) 台湾:国際海上港湾及び国際空港地域にFree Trade Zoneを設けて外国海運企業などがAsia-Pacific Business Operation Centerを設置できるようにする意向。
この構想では、当面高雄が候補地に挙げられておりCouncil of Economic Planning and Development主体に計画の促進化が図られる。
6. アジア通貨危機の海運への影響:
(1) 海上貿易の縮小
アジア通貨危機以後、経済不況の影響を受け東南アジア諸国の海上荷動きは、輸出で20%、輸入で40%減少(現地邦船社情報)した。但し欧米向け輸出は増加。
(2) 海上輪送モードの変化
定期海上コンテナ航路を中心にして空コンテナの手当が混乱。欧米航路も含めて何れの内外の船社も、従来先進国から東南アジア諸国に実入りで流れていたコンテナがアジアの消費の低迷によって減少し、また、逆に通貨の切り下げによって輸出競争力を高めた分、東南アジアからの輸出が増え、このためコンテナ輸出入貨物の荷動きにimbalanceが生じて、東南アジアに対する同地域からの輸出用コンテナを確保するため同地域に空コンテナを回す必要が生じている。