(4) 台湾
李登輝総統政権の下で98年12月の立法院(議員)選挙で与党国民党が勝利。99年1月27日にも内閣改造で政権強化が図られる等政治は安定している。
2. 経済
(1) インドネシア:
アジア通貨危機以後、IMFの指導経済下にあり、政府が介入した対外民間債務の返済猶予交渉や銀行の貸し渋り等難題解決を抱えつつも、'98年11月に入ってルピアの対ドル為替比率も好転しつつあり最悪の事態は脱しているとみられるが、景気浮上のための積極財政を組める状況になく、国民一人当たりのGDPも急激な低下を示し、失業者の増大も足かせとなっている。
ADBのGDP予測では、98年▲16.0%、99年▲3.0%としており、大きなマイナス幅の改善が図られると見られている。
(2) マレーシア:
1997後半タイに始まったアジア通過危機のマレーシアへの波及が懸念される中、短期外国資金が自己利益追求のため今や一国の経済を破壊する自体を憂慮し、いち早く自国通貨リンギ防衛のため通貨過管理規制政策を導入し、以後、マレーシアの経済は一時期の危機を脱しつつあると見られる。ADBの経済予測では、98年▲6.0%、99年▲2.0%と大幅なマイナス幅は改善に向かう模様。
(3) タイ:
IMFの指導下、景気回復のための積極財政政策も加味しつつ、基本に立ち戻って農業重視の経済発展にも配慮し、経済回復歩調を速めている。ADBの経済見通しでは、98年▲7.0%、99年0.5%と僅かではあるがプラスに転じ改善に向かう模様。
(4) 台湾:
アジア通貨危機以後豊富な外貨準備高と僅少な対外債務を背景に比較的堅調に推移してきたが、とりわけ我が国やアジア新興開発途上国の消費低迷により、台湾からの輸出減の影響を受けて、バブル化していた金融破綻など不安材料が顕在化しつつある。
ADBの経済予測では、98年5.0%、99年5.2%のプラス成長率を維持する見込み。
3. 世界の海上荷動と調査対象4カ国の状況:Fearnleys「Review 1997」「World Bulk Trade 1997」
1997年の世界海上荷動き量は重量ベースで50億7,400万トン、対前年比44%増。
これに対し調査対象4カ国の97年の海上荷動が世界の海上荷動きに占める割合は輸出入合計で14.21%を占め、アジア新興経済諸国の世界の海上荷動きに占める割合が高いことが分かる。
