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れてきたアジアハイウェイプロジェクトの開発がもとになっている。当初このプロジェクトは、主として国連開発計画(UNDP)や、いくつかの先進国の援助を受けていた。限られた資金と人材の中で、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の運輸通信部がプロジェクトを維持してきた。

ASEANハイウェイネットワーク開発の主たる目標は、ASEAN諸国の地域内及び地域間の道路を接続することで、特に、途切れている部分をつなぐことである。ASEANハイウェイネットワークが完成すれば、ASEANの地域内、地域間を通した輸送の効率が高まるだろう。貿易、観光における、各国間の経済協力も、ビジネス慣行の違いはあれ、促進されることとなるだろう。こうした目標達成のためには、ASEANハイウェイネットワークの中に、大小のハイウェイネットワークが網羅されることになる。幹線となるハイウェイネットワークは国家レベルでハイウェイを結び、また一方小規模のハイウェイネットワークは、幹線と国内の主要地域とを結び、幹線への輸送の集結及び、分配役として機能する。

こうした構想に基づき、ASEANハイウェイの専門家グループは図3に示されるASEANハイウェイネットワーク最終案に同意した。

 

4) 3 タイの道路開発

タイの道路開発は国家経済社会開発5カ年計画(国家計画)に基づいて行われている。現在行われているのは、1997年から2001年に亘る5カ年計画を含む第8次計画にあたる。今までは、資金の大半は政府予算から拠出され、外国の融資も数件受けていた。第8次国家計画の重要な指針のひとつとして挙げられるのは、モーターウエーや鉄道などの大規模なインフラプロジェクトヘの民間の参画を増やすことである。タイでは道路建設プロジェクトにかかわる機関がたくさんあり、都市間のハイウェイ、地方道路、都市部の道路などと、道路の形態により担当が分かれている。しかしタイの3種類のハイウェイ即ち、スペシャルハイウェイとしてのモーターウエー、国道、コンセッションハイウェイの建設、営繕については、道路局が最も重要な責任を負っている。現在48,930kmの道路がその管轄下にある。一般に、年間実行されるべき道路建設プロジェクトは600件以上ある。しかし、ここで焦点を当てる主要なプロジェクトとしては、大メコン圏の経済協力を支援するプロジェクトのみである。それは以下のカテゴリーに分類される。

 

 

 

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