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1998年、カンボディアとヴィエトナムとの間で、内陸道路輸送と内陸水路輸送に関する条約の改訂が行われ、両国により調印された。

内陸道路輸送に関する条約は1998年6月1日に署名され、また内陸水路輸送に関する条約は1998年12月13日に署名された。

 

5) 運輪インフラストラクチャーの復旧と開発

戦争の続いたほとんど20年にわたる期間に、道路や橋のほとんどが激しく傷つけられるか破壊された。被害の少なかった道路でさえ、一定の道路は雨期になると洪水のため通行不能となり、道路をネットワークとしては使用できないほどであり、カンボディアの再建と開発の大きな障害となっているのである。

 

道路ネットワークの復旧と開発

道路輸送を発展し、現在および将来の交通需要に応えるために、現在の主要国道の復旧と再建が、運輸部門における、王国政府の政策の最優先課題であった。復旧の目的は、地方とのアクセスを速め、過剰な交通と道路保全費用を減少させるとともに、少なくとも数年間は道路のさらなる悪化を止めることである。道路の損壊と復旧の悪循環を避けるために、資金の許す限り、受け入れ可能な標準と道路の寿命の双方を平行的に考慮にいれて再建が進められている。

1992年以来、UNDP(国連開発計画)、タイ、日本、ADB(アジア開発銀行)、USAID(米国国際開発庁)、AusAID(オーストラリア国際開発庁)などの、多くの多国間あるいは二国間支援が寄せられてきた(参照:表5)。復旧は現在、進行中である、しかし、財政的および能力的制限により実行の速度は制限されている。1995年までに道路への投資額は、年間3200万ドルという最高額に達した。1998年末で、全体で約1億8320万ドルが復旧プログラムに投じられてきた。それにはカンボディア政府の見返り資金2840万ドルの拠出も含まれている。因果関係を明らかにするのは困難であるが、道路の改善がカンボディア経済の発展に大きく寄与したことは明白である。図4は、単純な指標として商品輸送の量がいくつかの道路(国道2号、国道4号など)で25%─50%も増加したことを示している。国道6号沿いで土地価格や雇用機会が急激に上昇していることや復旧した道路では定期バスの運行が導入されたことなどから見ても新たな開発が行われたことは容易に見て取ることができるのである。

 

鉄道の復旧

鉄道2線のインフラストラクチャーへの投資レベルは、道路や港湾のインフラストラク

 

 

 

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