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で、乗用車が50台─60台であり、1994年─1995年では一日につき、全部で17台から18台であった。現在は、国境を超える車両はさらに減っていると思われる。驚くべきことに、重量で表わされた通行量はそのような減少を見せていない。記録されている通行量は、1988年─1995年の期間をとおして、年間5万トン─7万トンで安定的に推移している。同時期に記録されたトラックの数から、一台当りの平均積載量は1993年に、5トン─6トンから、13トン─19トンヘと飛躍を見せている。おそらく、新しく実施された国境規制の結果であり、貿易が材木やゴムなどの原産物に集中したことを示すものでもあろう。

将来のポテンシャル

公共工事・運輸省は、タイおよびラオス国境を通る道路を使っての対外貿易の記録をとっていないので、公共工事・運輸省からのデータは入手できず、輸送量は知ることが出来ない。タイからは大量の物品が道路で輸送され、政府にとって、そうした不安定な地域での管理は困難であるため、そのほとんどが密輸品であると言われている。

第2期(1998年─2003年)カンボディア王国政府の成立以来、政治的状況は次第に安定化するものと考えられており、タイおよびラオス国境沿いの、特にアジア・ハイウェイA1、A11が通るポイペト(タイ国境)およびベウンカン(ラオス国境)での越境交通数は増加するであろう。

 

航空輸送

航空貨物輸送量は、プノンペン空港での民間航空を利用してのもので非常にわずかである。これまでのところ、貨物便の運航はない。プノンペンから100kmで将来アジア・ハイウェイA1沿いのカンポンチュナン空港は、かつてUNTAC(国連カンボディア暫定行政機構)の貨物空輸に使われたいたことから、カンボディアの将来の貨物空輸基地として発展させようという提案がある。

 

国境規制

カンボディアにおける道路輸送の国境規制は、1979年以来何年にもわたって、好ましくない政治・経済情勢のため一貫性のあるものではなかった。現在、カンボディアの国境規制は以下のように特徴づけることができる。

 

車両と運転手の越境移動

かつては、商業車両は、カンボディアを通過して、商品を輸送することができた。しかしながら、数年前に、カンボディアが隣国からの商品の道路輸送のために外国の車両を使うことを規制してからは、そうはいかなくなった。隣国からの車両はカンボディア国境で停止しなければならず、そこで商品はカンボディアの商業車両に積みかえられて、その車両でカンボディア内は輸送されることになったのである。

 

 

 

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