鉄道
カンボディア王立鉄道は、385kmの北線と246kmの南線を運営している。前者はプノンペンをカンボディアの農村地域と結びつけている。しかしながら、その1943年の完成以来、改善のための手が加えられて来なかったので、北線の状態は非常に貧弱なものである。シソポンとポイペト(タイ国境)の区間は、1970年の早い時期から運営されていない。1969年に完成したシアヌークビル港とプノンペンをつなぐ南線は、現在も良好な状態にあり、1996年には軌道床の復旧も完了した。今日、両線とも最大車軸積載量15トンで運転されており、速度は25km/時を超えて上げることはできない。
内隆水路および海上輸送
カンボディアでは、内陸水路は平野部に広がっており、そのほとんどがメコン川をプノンペンとホーチミン市の間を行き来し、またプノンペンの上流クラチエまで遡るものである。最大5,000トンまでの船舶がプノンペンとヴィエトナム国境の間でメコン川を1年中航行できる。他の内陸水路は小さな船によるものでその運搬量はごく小さい。
カンボディアは海上交通用の2つの主要国際港を持っており、それはプノンペン港とシアヌークビル港である。この2つの港は国道でもつながれており、またアジア・ハイウェイA1およびA11でもつながれている(参照:図2)。
プノンペン港
プノンペン港は主要国際河川港で、メコン川とバサク川を経由してヴィエトナムのメコンデルタを抜けて南シナ海とつながっている。プノンペンの主要貨物基地は両側に分かれ、市中心部のトンレサップ川に面して位置している。
また、トンレサップ川に面して、プノンペンの北4kmと13kmに分かれた2つの石油基地がある。石油製品のほとんどはシンガポールとヴィエトナムからメコン川を利用しヴィエトナムを通って、600重量トンから1000重量トンの船舶で運ばれてくる。事故により、2つの基地からの石油流出による環境汚染の危険は常につきまとっており、川の水性生物、農業、およびトンレサップ流域のデリケートな生態系に有害であり、特に川が「グレート・レイク」(トンレサップ湖)に向けて逆流する水面の高い季節には深刻である。
シアヌークビル港
シアヌークビル港は国際貿易用の主要海港である。タイランド湾に位置する、カンボディアの唯一の国際深水海港で、1959年から1969年の期間に建設されたものである。この港は、商業港と石油基地からなり、最大13,000重量トンの船舶まで受け入れることができる。