日本財団 図書館


計を経て、現在のUCP500になったのは、1990年である。正式名称(和訳)は「荷為替信用状に関する統一規則および慣例」

そこでボレロは、拘束力のある法的環境と共通の手順に基づき、貿易関連書類の電子的な形式による、グローバルな、保障された、安全な伝達を行う。また、業界横断的な、中立的サービスを提供するためのプラットフォームを用意する、としている。

まず、法的環境であるが、各国法制の違いを乗り越えるため、利用者全員が直接または間接的にメンバーとなり、メンバー相互を拘束するルールブック(会員規約のようなもの)に署名させることにより契約当事者の合意を優先させようとしている。また、サービス契約により、責任あるサービスと、セキュリティの高さを保障する。(セキュリティの技術に関しては本報告書第二章 II 1.技術的側面からの考察、参照) 通信サービスに加え、文書管理、権利登録のサービスを行うため、2つのデータベースを提供する。すなわち、文書の監査、参照・索引、検索、アクセス管理を行うデータベースと、譲渡性書類(船荷証券)の権利移転手続の管理、追跡、保障を行うデータベースである。

エンドユーザ向けに「ツールキット」に基づくアプリケーション開発を促進し、既存のネットワークと透過的につながるようにする。また、UN/EDIFACTのように構造化されたメッセージはもちろん、電子メールや図版等も対象とする、という。

ボレロシステムの構成は図2A図2Bのようである。この図で「認証機関」(CA: Certification Authority)というのは登録機関の認証を行い、「登録機関」(RA: Registration Authority)がユーザの登録、認証、登録抹消を行う。「文書管理サービス」では、ヘッダ(ボレロヘッダ)のみを管理する。「権利登録データベース」は船荷証券等の権利状況を管理する。

では、ボレロを利用するとどのようなメリットがあるか、彼らの主張を整理すると、

1] 遅延の減少

* 船荷証券の到着遅延回避によりコストを削減できる。

* 与信リスク削減

2] 管理費削減

* 文書の一般管理費、保管コストの削減

* 入力ミスの回避

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION