信するか、代理権を与えて発信した場合発信者のものとされ、特約がない場合の発信と受信の時刻を定義している。(曖味さの排除効果)
電子署名については、偽造、行使についてはS$20,000または2年以内の禁固刑、公証局に虚偽申請をした場合S$10,000または6ケ月の刑事罰を定めている。
公証局の許可基準、外国の公証について規定するとともに、反証が無い限り、許可を受けた公証局が発行する証明書は正しいと見做される。
3.2 現行法を改正
最初に電子商取引に関する網羅的な基本法を制定することは重要であるが、同時に周辺の法規をこれにあわせて見直すことが必要と思われる。
たとえば、上記(2)-3]保険会社の項で述べた、保険申し込みの手続きについて、基本法が文書、印鑑と見做す旨規定しない場合には個別法の修正が必要である。
また、取引記録の保存についての商法、税法についても同様である。
税法については、99年7月1日「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」(平成10年法律第25号)が施行された。
その内容は
(1) 国税関係の帳簿書類を電子データで保存することができる。
(2) 国税関係の帳簿書類をCOMで保存することができる。
(3) 電子商取引(EDI取引)に係る電子データの記録を保存する。
ことが、事前に所轄税務署長への申請・許可取得により可能となったことである。
また、地方税についても地方税法が同様の趣旨で特例を設け、国税の規定に沿った電子帳簿を整備することで対応できることとなっているが、申請窓口は都道府県知事および市町村長である。
運送書類、保険証券は印紙税法上課税文書とされている。電子化されたこれらの書類には印紙税は関係無いはずであるが、米国クリントン大統領に倣い、「電子化された取引には課税しない」ことを政策方針として明確にすべきである。なお、現在の紙ベースの書類における印紙税額であるが、SWBは一般の運送に関する契約書とされ、船荷証券のような特例が得られていない。その結果運賃額が表示されている場合、その額によって課税される結果となり、運賃金額表示を必要とする取引に使用しにくいこともその普及を妨げている一因ではないだろうか。