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電子化の対象とする書類も、インボイス、パッキシグリスト、船積指図書(輸出)、荷捌き依頼書(輸入)、輸出申告書、輸入申告書、到着通知、ドックレシート、請求支払情報に及んでいる。

ここでは、議論の焦点を船荷証券等の運送書類に限定したい。ただし、B/Lのみならず、SWB(海上運送状)、AWB(航空運送状、マスターAWB(注-1)およびハウスAWB(注-2))についても検討する。

(注-1) マスターAWB:航空貨物輸送の場合に、航空会社が発行する航空運送状(Air Waybill)を称するもので、運送人が荷送人から航空貨物を受け取った受領証の性格と、運送人と荷送人との間で輸送契約が結ばれていることを示す証拠書類の性格をあわせてもっている。但し流通性はもっていない。

(注-2) ハウスAWB:これは混載業者が発行する航空運送状である。混載業者が小口の貨物を各荷主から取り集めて混載を航空会社へ依頼し、それに基づき航空会社がこの混載業者へマスターAWBを発行する。このマスターAWBには複数の小口荷主の貨物明細等が記載されており、このマスターAWBから混載業者が各小口荷主宛に自社のハウスAWBを発行する。

まず、電予化された運送書類が発行されること、発行された運送書類に基づいて貨物の処分等がなされること、が合意されなければならない。電子化の初期段階においては、トレードチェーンのすべての関係者が電子的処理に対応していないことも考えられ、紙の運送書類を必要とする場合には紙に戻してもらう必要があるが、運輸業者の効率的運営を妨げるばかりでなく、サービス提供者、銀行等のリスク管理にも影響することもあるので、できる限りすべての段階で電子化しうる取引を対象とすることが望ましい。電子的運送書類が有効である期間は紙の運送書類が重複して発行されないことは当然重要である。

運送書類の一般条項(船荷証券の裏面約款等)を全文電子メッセージで交換することは不合理であり高いコストを要するので、参照による方法が一般的となろう。用船契約によって船荷証券が発行されるとき、船荷証券上に用船契約書を参照することと同様である。この場合、文言の原本をどのように保管し、一般に閲覧せしめるか、

 

 

 

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