入・運用しているようだが、POLINETやS.C/S.F.NETを経由したUN/EDIFACTメッセージの授受はまだ行われていないのが実態である。
5.4 港湾業界からみた貿易金融EDI化の評価
(1) 貿易金融EDI化に関係する港湾業界の対象業種
流通性書類(船荷証券など)に関するEDI化を念頭においた場合、海運代理店及び外航利用運送業(NVOCC)が対象業種であり、船社と同じ機能と業務処理を行っている。従って、BORELOやEDENの貿易金融EDI化に関しては船社業界の評価と基本的には同じである。
NVOCCは不特定多数の荷主の貨物を集め、B/Lを荷主に発行し、混載コンテナ貨物として仕立てて実運送者である船社に輸送を委託するので一面では船社に対し荷主の顔を持つ。船杜発行のB/Lは多くの場合NVOCCまたはその提携先を荷受人として明示した記名式B/Lであり、SWB(Sea Way-Bill)を採用することもできる。
(2) 貿易金融EDI化に必要な上流・下流のEDI連携
海運代理店、NVOCC以外の海貨業者をはじめとする港湾関連業種は貨物輸送に伴う流通性書類及びその決済とは直接関わりがなく、輸出業務においては船社やNVOCCが正確な船積を行い、B/Lを作成して輸出者に発行できるように輸出者の船積指図書(S/I)にもとづき運送手配、手続作業を行い、その結果を標準規約に則ってメッセージを作り関係先に伝送するだけであるので、貿易金融EDIの活用を必要としないが、国際物流全体の迅速化、正確性、経済性を向上させるためには関係業界が連携して情報チェーン、EDIチェーンを普及させる必要がある。
(3) 単一グローバル・ネットワーク・システムの必要性
BOLEROやEDENの理念、業務要件は理解できるが、すべてのユーザーを単一グローバル・ネットワークで行う必要性、必然性はないと考える。特定地域、関連業界を対象とした既存のネットワーク資源を活用して前述の役割認識と業務効率化、企業競争力強化を日指してEDIを導入・運用しているユーザーがいるので現用のEDIアプリケーション・ソフトウェア資源を無駄にするような統一化は疑問である。