日本財団 図書館


(4) 貿易金融EDIに使用する標準電子書式

BOLEROは交換される情報の内容、書式を問わないとしているが、電子封筒だけを標準化しても同封の情報の表現規約が個別対応時代と大差ない野放し状況となれば商取引関係で力の弱い企業、とりわけ、物流事業者の情報化、EDI化コスト負担のしわ寄せが大きくなる。EDIの普及・促進を図るためには中小企業や特定の業界に経済的負担がかからないよう標準電子書式を整備し、導入する必要がある。

日本においては次期Sea-NACCSが対象範囲を拡大して民間物流業務情報も取扱うと公表し、関係業界の期待を集めているが、貿易金融EDIの情報源ともなるD/R情報に関する電子書式は民間業界が共同で開発したPOLINET書式、UN/EDIFACT(IFTMIN)書式と異なるSea-NACCS標準書式または別のUN/EDIFACT(IFTMIN)書式が採用されるので民間のユーザーへの影響は無視できない。何としても共通の電子書式を導入して欲しいものである。

(5) 貿易金融EDIシステムの利用料

流通性書類のEDI化を促進するためには解決しなければならない種々の問題があると各業界から指摘されている。SWB(Sea Way-Bill)の普及を欧米並みにすることでかなりの問題がクリアーできることも分かっている。SWBの普及も克服すべき課題を抱えているようだが、仮に欧米並みにできるとすれば貿易金融EDIシステムを必要とする対象業務は流通性書類(Order B/L)や貨物保険契約、保険証券及びそれらの決済業務などに範囲が絞られよう。そうなったとしてもBORELOやEDENのグローバル・ネットワークシステムの構築、運用経費に拘わりなく適切、廉価な利用料を保証し、維持していけるのかどうか検証する必要があろう。(以上 山内委員)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION