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2] CFS渡し貨物の輸入業務

混載コンテナ貨物をCYからCFSに持ち込み、CFSでデバンニング、通関するケースと、CFSからさらに海貨業者の保税上屋へ保税運送し、そこで通関するケースがある。一般的にCYから移送されたコンテナはCFS戸前で沿岸荷役業者によりデバンニング、仕分け、保管作業が行われる。受荷主の委託を受けた海貨業者は荷渡指図書(D/O)と通関書類を提出しCFSオペレータから貨物を受け取り受荷主の指定倉庫へ陸送する。

以上述べてきた通り、輸出入業務の大部分は荷主(輸出入者)の委託を受けた海貨業者(第1種限定)が必要な手続き、作業手配を関連する専門業者(または担当部門)へ指示して行われており、船社(又は海運代理店)、CY/CFSオペレータ(第1種事業)、海貨業者(第1種限定)、通関業者、倉庫業者、陸運業者、NVOCC業者(利用運送事業)、荷役業者(第2種事案)、検数業者(第5種事業)、検量業者(第7種事業)が相互に各種の指図書、帳票、作業完了報告書の授受をべースに進められている。

 

5.3 港湾業界におけるEDI化の現状と課題

(1) POLINET

港湾業界における情報化、EDI化は1974年の「港湾物流情報システムの開発研究」(運輸経済研究センター)からスタートした。1980年のNTTによるSHIPNETS構想提案により具体化の機運が関係業界で盛り上がり、第1次、第2次の実証実験を経て1986年4月にSHIPNETSセンターが設立され、業界共同利用型VANとしてSHIPNETS(港湾貨物情報ネットワークシステム)の運用を開始した。このSHIPNETSを利用して船社(海運代理店、海貨業者、検量業者、検数業者間で輸出業務情報(S/IからB/L情報まで)をEDIで授受できるようになり、業務の迅速化・効率化、書類削減、再入力によるエラー防止、標準化による情報化投資コストの抑制が可能となった。

1993年にSHIPNETSセンターから現在の(社)港湾物流情報システム協会(POLISA)に改組し、ネットワークの利用業種を前記の4業種から港湾物流に携わる事業者すべてを対象とし、オープン化された。1995年にはSHIPNETSの老朽化に伴いVAN3社(NTTD、NEC、IBM)を起用したPOLINET(VAN間接続)を構築、ネットワーク機能の高度化とランニング・コストの低減が図られた。また、対象業務や対象地域(港湾)を拡充するとともに、1998年10月よりPOLINETで授受できるシンタックスもPOLINETのほかUN/EDIFACT、CIIび個別書式も扱えるように機能が強化された。

現在のPOLINETの対象地域、対象業務(情報)は以下の通りであるが、港湾物流業務すべてに対応できる状況になっていない。今後とも、世界標準書式の早期完全移行を図るために関係業界が共同作業でUN/EDIFACTに準拠した業務メッセージの開発及びユーザーマニュアル(導入手引書)作成を継続していく必要がある。

 

 

 

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