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チャンスが浮上してきており、物流サービス業者の地位回復の鍵ともみられているが、欧米企業が先行しており、日本の港湾運送業界の取り組みは緒についたばかりである。

このような当業界のビジネス環境の中で、貿易金融EDI化について評価を試みようにも実際の関係業者の業界団体、代表者が当特別委員会委員として参画していないので、深く掘り下げ、かつ、多数の関係者の合意を得た評価とはなり得ないことをお断りした上で、評価を行ってみたい。

 

5.2 港湾業界における関連業者とその相関関係

前述したように、港湾運送業界には多岐にわたる関連業者が存在する。荷主や船社側からは一つの業界に見られがちであるが、その大きな要因は多くの事業者が兼業していることからと思われる。貿易金融EDI化について評価を進めるには先ず関連業者とその相関関係を的確に認識する必要があると考え、敢えて公知の事柄を以下に整理してみた。

(1) 港湾における業者種別

(イ) 港湾運送事業

港湾運送事業法で言う「港湾運送」は、同法第2条第1項で他人の需要に応じて行う八つの行為を定義しており、同法第3条で事業の種別を以下の通り定めている。

第1種 一般港湾運送事業(荷主又は船杜の委託を受けて、港湾における輸出入貨物の受け渡し、並びに船内荷役、艀運送、沿岸荷役、筏運送を一貫して行う事業。俗称を一貫元請という。)

第2種 港湾荷役事業(船内荷役又は沿岸荷役を行う事業)

第3種 艀運送事業

第4種 筏運送事業

第5種 検数事業(船積貨物の積込、陸揚に際し、貨物個数の計算、受渡の証明を行う事業)

第6種 鑑定事業(船積貨物の積付に関する証明、調査、鑑定を行う事業)

第7種 検量事業(船積貨物の積込、陸揚に際し、貨物容積、重量の計算、証明を行う事業)

同法にいう「港湾」とは、政令指定港湾を指し、決められた水域及び港湾区域で行う行為だけが「港湾運送」となり、それ以外の運送行為は同法の適用外となる。

 

 

 

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