6 クロスボーダーシステムとしての枠組みの展望
49. 公開鍵暗号系:public key encryption/公開鍵方式:PKI(Public Key Infrastructure)
暗号系システムの概念のひとつ。各ユーザは公開鍵と秘密鍵の2つを持ち、公開鍵を公開し、秘密鍵は各ユーザが隠し持つ。たとえばユーザAからユーザBへ暗号化メールを送るときには、AはBの公開鍵でメールを暗号化し、受取ったBは自分の秘密鍵で復号化する。このシステムの利点は、公開鍵で暗号化したものは、秘密鍵でしか復号化出来ないため第三者には復号化が困難なことにある。また逆に、秘密鍵で暗号化したものは公開鍵でしか復号化できないため、ユーザAが自分の秘密鍵で暗号化したものは、間違いなくユーザA本人であることを証明する"署名"として用いることができる。
1976年、W.DiffeとM.E.Hellmanが共通鍵の安全な配布方法として提唱し有名になった。現在、インターネットをはじめ世界の暗号システムの事実上の標準となっている。公開鍵は信頼される第三者としての認証機関が保管し、電子署名入りの公開証明書を添付した上で配布する方式を採るシステムが多い。公開鍵暗号系を実装したものとしてはPEM(Privacy Enhanced Mail)やPGP(Pretty Good Privacy)がある。
(出所:「インターネット用語事典」 堤 大介著 技術評論社 平成9年7月)
7 貿易金融EDI化にあたり検討を要する事項
(1) 法律・契約側面
50.UCP:The Uniform Customs and Practice for Documentary Credits,1993 Revision
ICC Publication No.500
「荷為替信用状に関する統一規則および慣例」1993年改訂版、ICC出版冊子No.500。信用状を用いて船積書類の買取りを行う場合に適用される国際的な民間規約。ICCが作成。信用状取引で、UCP規則を適用する場合は、L/Cの本文に準拠文言の明記が必要とされている。
51.URC:The Uniform Rule for Collections, 1995 Revision, ICC Publication No.522
取立統一規則。1995年改訂版はICC出版物番号522、通常URC522という。船積書類を「買取」によらず、取立により代金の回収を行う場合の手続きとしてICCが定めた国際的な民間規約。事実上の標準。1993年3月に「取立統一規則」の見直しを決め、2年以上の検討の結果起草された。1996年1月1日から有効(それまでは1979年1月から使用されていたURC322が適用)。本件の改訂作業の過程で行われた討議については理解しやすい解説を収録したICC出版物No.550が出版されている。