3. 流通性書類に関するEDI化の現状─EDEN、BOLEROその他
(1) EDEN
39. EDEN:Electronic delivery of negotisble Document:貿易金融EDIプロジェクトの愛称
正式名称:「貿易管理手続き簡素化のための流通性書類の電子化プロジェクト」
1997年12月15日発足。通産省支援による貿易金融EDIの電子化実証実験のニックネーム。わが国企業の国際競争力を高め、強靭な経済基盤を確立することを展望し、わが国企業における貿易手続き電子化の円滑な導入のための環境整備を行うべく、国内側の基盤整備を図ることが目的とされている。ユーザが実際に参加して実施された日本初の貿易金融EDIの実証としてその意義は大きい。本件受託研究の主受託者は日本IBM。
参加メンバー: 都銀3行、商社3社、船社2社、メーカー4社、その他2社。
現状: 実際の実験は98年10-11月に実施された。貿易関係者間はUN/EDIFACT標準メッセージを採用、ネットワークはIBMのネットワークを利用した。貿易関係書類の項目の相互照合などユニークな機能の実装も試行した。なお、実験の最終成果については、99年1月に納品、2月の検証を受けて、3月に正式受諾される予定。本件の内容については、一般に公開される予定。
(2) BOLERO
40. Prototype:Bolero側が昨年8月にリリースしたテストモジュール。ディジタル署名と公開鍵方式によるメール機能が主体。権原関係の移転を管理するといわれるいわゆるタイトル・レジストリーの機能は実装されていない。
41. Beta版:Bolero Prototypeの次世代版。1999年2月にリリース、商業版と同様フル機能を実装していると言われる。本件によるテストは、実取引をもとに、クロスボーダーで海外の取引関係者を結び、本年3月以降に実施される予定である。Beta版の目的は、システム検証もさることながら、システムのBenefitsを定量、定性的に分析評価することにある。これをCase Studyとしてとりまとめ商業化に向けての参考とする。
(3) 通産省公募案件
42. 通産省公募案件:通産省は昨年1998年夏に、貿易金融EDIの「実用化」を目指した公募を行った。一昨年、1997年のEDEN実証実験に続く公募と位置づけることが出来る。現在、本年3月を目途に、貿易金融EDIに向けた「ガイドライン」つくりを行なっており、近々内容の検証と、実証実験の段階へと駒を進めることが予想される。