本制度は、株券の預託を受け、機構名義に書き換えのうえ混蔵保管され、株券の受渡しを口座振替により処理するもので、株券の保管、株券受渡関係業務の合理化、費用軽減、発行費用軽減、名義書換事務量の削減などのメリットがある。また、参加者の請求があれば、株券の交付(返還)を行う。即ち、株券本券(｢紙｣)を前提としたシステムであり、有価証券である株券そのものの電子化ではない点、留意を要す(著者注記)。
24. 日銀ネット:正式には｢日本銀行金融ネットワークシステム｣と称する。
｢日本銀行本支店及び日銀ネット利用金融機関と日本銀行電算センターとの間をオンライン接続したネットワークシステム｣。運営は日本銀行。
参加機関総数:537 平成10年8月現在、当座預金、外為円、国債のいずれかの業務で日銀ネットを利用している金融機関総数。
取扱件数(一日平均):
当座預金 21千件 170兆円。
外為円決済 44千件 44兆円(交換尻3兆円)
対象業務は以下のとおり。
1. 当座預金システム(昭和63年10月稼動)
民間金融機関等が、短期金融市場等の市場取引の資金決済や、手形交換、内国為替決済等の集中決済制度に係わる資金決済をオンラインで行うもの。
2. 外国為替円決済システム(平成元年3月稼動)(注)
｢民間金融機関間の外国為替売買やユーロ円取引等に伴う円資金受払いの集中決済を行う外国為替円決済制度(運営主体(社)東京銀行協会)について、支払指図の送受信、交換尻の算出･決済が日銀ネットを通して行われている。｣
3. 短期国債売買システム(平成3年11月稼動)
｢日本銀行が金融政策の遂行の一手段として行っている割引短期国債(TB)及び政府短期証券(FB)の買入れ･売却等を日銀ネットを利用して処理するもの｣
4. 国債システム
(平成2年入札事務、平成4年発行･払込、平成8年付記登録事務稼動)
国債流通市場における売買等に伴う国債の受渡事務(登録国債の移転登録、振替決済制度参加者帳簿での口座振替)や発行市場における入札事務が対象。その後、随時対象業務を追加している。
5. 国債DVPシステム(平成6年4月稼動)
国債の受払いと資金決済を同時に処理するシステム。取引毎の選択も可能。
