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『裏面約款は4種類、解読可能な最小限の英字で印刷』

海外の損害保険金社は、裏面約款のない保険承認状(Certificate of Insurance)を使用しているが、保険証券の裏面約款は、船と航空機別、更に新/旧ICC約款の4種類で構成されており、保険証券の裏面に人が解読できる最小限の英字で目一杯に印刷されている。これら裏面約款は、ロンドン・マーケットが作成したコピー版とも言えるものであり、そのまま電子データに置き換えて送信してもどれだけの意味があるのか疑問である。電子保険証券には、新/旧ICC約款の表示だけで済ませることが出来るのか否か、この検討から開始しなければならない。

『手作りの特別約款の標準化は至難の業』

裏面約款に優先する特別約款は、以下の通り分類される。

1] 保険の始期終期(地理的・場所的・期間的な延長短縮)に関するもの

2] 填補範囲(担保条件の拡大縮小)に関するもの

3] 特定貨物専用(例えば、冷凍貨物に自動付帯される冷凍約款)もの

4] クレーム処理(保険金支払手続)に関するもの

特別約款は、各社各様の手作り約款であり、微妙なニュアンスを伝えるものが数多く存在しており、損害保険業界として特別約款の整備・統合・標準化は、至難の業と言える。

『裏面約款と特別約款の対処は如何に』

裏面約款と特別約款の対処方法として以下のアイデアが想定されるが、貿易金融EDIの将来的な方向性を見極めなければ判断がつかない。つまり、ボレロ・プロジェクトの当初案の如くシステムの中枢である中央登録機関のデータ・べースですべての電子ドキュメント・データを保管/管理していく方向(センター方式集中型)か、エデン・プロジェクトの如く中央にデータ・べースを持たず、関係者の間をメールが渡り歩く方式(メール方式分散型)か、中央にデータ・べースを持ちメールを集中させる方法(メール方式集中型)かである。

 

 

 

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