F. 残処理工程の廃止
保険申込書のファイリングの廃止。ペーパー・べースと比較して電子データの保存は、保管スペースをとらず、空きスペースを多目的に活用できる。保管コストも削減できる。
(2) システム面
● UN/EDIFACT仕様の損保版標準フォーマットが普及すれば、どの顧客とも同一フォーマット伝送となり、損害保険金杜の送受信システムも一つ作れば用立つ。データ伝送を希望する顧客が現れても、プログラム開発は不要である。個別EDIと比較して、システム修正を伴う事態が発生しても一顧客分の作業工数で対応でき、システムの開発/改訂に伴うコストが大幅に削減できる。
● 貿易関連企業などの他業界とのシステム接続が比較的容易となり、ぺーパーレス化に資する。
(3) 対顧客面
● 顧客の保険申込の事務負荷を増大させず、顧客ニーズにも合致する。
3. 損害保険業界から見たEDI化へのデメリット
(1) 事務処理面
● 永年に渡り培われた現行業務プロセスがスクラップされ、EDI化に向けた業務プロセス生成の作業負荷が計り知れない。
● 特別約款の抜本的な整理と標準化、コード体系の整備が必要となる。
● より高度な業務知識/システム技能を備えた発券要員の育成が必要である。
(2) システム面
● 主要顧客との既存データ伝送システムの資産を喪失する。
● EDI化に向けた損保版標準フォーマットの作成、新たなシステム開発/機材設備等でコストがかかる。
● 損保版標準フォーマットが普及すれば、顧客の固有ニーズに柔軟に対応できなくなる。