<2> EDI化に向けた損害保険業界の動向
(1) 損保版標準フォーマット
貿易金融取引に係わる商社/銀行/船会社/海貨業者/損害保険会社間での業界の垣根を飛び越えたEDIであり、他業界の動向を睨んでいた損害保険業界も、その一員として参加すべく(財)日本損害保険協会を事務局として、次の外航貨物海上保険関連書類の標準フォーマット(UN/EDIFACT仕様)の研究・作成を業界ベースで検討し始めており、損害保険業界の貿易金融EDI化に向けた取組への環境作りが進められている。
● 保険申込書(Insurance Application)
● 保険証券(Insurance Policy)・保険承認状(Certificate of Insurance)
● 保険料明細書(Statement of Premium Due)・保険料請求書(Debit Note)
(2) 損保EDI化への顧客ニーズ
他業界の貿易金融EDI化の検討が本格化する中で、他の貿易書類に比べて世界的に損害保険関連書類の検討が遅れており、損害保険業界としても標準フォーマット作成の必要性を感じている。インボイス/船荷証券は、UN/EDIFACT仕様の標準フォーマットが既に完成しており、外航貨物海上保険関連書類だけがデータ・べ一スではなく、唯一ペーパー・ベースで取り残されるとすれば、他業界は、非効率極まりなく、至極迷惑な話である。近い将来、保険関連書類の電子化/データ伝送を求める顧客ニーズ(以下、参照)は必然的に高まるものと考えられる。
● インボイス/船荷証券の電子データ情報の一部をそのまま保険申込データに転記したい。
● 荷為替手形取引を急ぐので、電子保険証券/電子保険承認状を他の電子船積書類(インボイス/船荷証券)と共に取引銀行にデータ伝送したい、又は海外荷主にデータ伝送したい。
● 保険料明細書/保険料請求書の保険料情報を電子データで受信したい。