この矛盾した問題をどう解決していくのかは将来の検討課題である。
(注16) As arranged運賃:前払い運賃で荷送人が転売先に運賃を知られたくない時に行う運賃表示の方法で、船荷証券原本には運賃の記載をせず、単にAs arrangedと表示し、荷送人に交付する写には運賃を表示している。着払いの運賃がある場合には船荷証券面上に記載する。
6. 印紙税
印紙税は、費用負担者が基本的に船社業界のみである、と言う事情もあり、これまで論じてこなかったが、SWBの普及により、賦課問題が表面化・深刻化しており、且つ課税そのものが貿易手続簡易化の趣旨に反するものと思われるので、敢えて今回取り上げる次第である。今回は問題提起に止めたいが、今後の更なる検討が必要な項目である。以下では煩雑になるので、印紙税法及び基本通達に付いては、その条文を都度引用していない。
6.1. 原則
日本で発行(作成)する船荷証券・運送状は日本の印紙税法の対象となり、規定に応じて印紙税を支払う義務がある。
通常は船荷証券に印紙を貼付するのでは無く、例えば200円の印紙スタンプを1万回押せる仕組みになっているもの(印紙税法の呼称は印紙税納付計器)を200万円で所轄税務署から購入してきて、発行の都度船荷証券に押している。
6.2. SWBの税額
非流通性運送状として別表第一の1号文書の4号、運送に関する契約書、として運賃がAs arrangedならば契約金額の記載の無いものとして200円、記載があれば契約金額に応じた段階税が適用になるが、高額であり、SWBの普及に対する阻害要因となっている懸念がある。(注17参照)