から印刷して貰わねばならない。このペーパーレス制を厳格に運用した場合には広く利用されるEDI決済シシステムには為り得ないものと思われる。
等々、今後どの程度のペーパーレス貿易金融決済システムが実用的なのかは検証していかねばならない事項である。
3. 船荷証券関係情報の電子化の受益者
船荷証券関係情報(S/I)の電子化は電子船荷証券のインフラであり、船社業界だけにメリットをもたらすものでは無い。荷送人が作成・保有する取引データからのEDI化は船社へのメリットのみならず、荷主に取っても船荷証券訂正の発生を無くし、船荷証券チェックの手間を省け、EDIによる決済の迅速化が行えると言う効果がある。
現に某大手荷送人はまず自社から発する情報を完全なものにしておき、次工程に当たる輸出通関業者や船社には情報(例えば船社からは本船出帆同や到着予定日等)の付加のみを許し、それ以外の既存情報の訂正が発生しない体制を取っている。ここまで徹底出来れば船荷証券の電子化による決済の迅速化の効果は大きいと思われるが、さも無ければ船荷証券発行前のチェックは荷送人にとっても経費・時間の点で頭の痛い話となろう。
少なくとも私的契約の中にこうしたデータの形による船荷証券データの提供義務を規定しても良い筈であり、又、そのくらい社内のシステムがペーパーレス化された貿易業者でなければ、こうしたEDI決済プロジェクトヘ参加して得られる決済の迅速化と書類作成費用の削減と言うメリットは少ないのでは無いかと思われる。
4. 船社の手仕舞実務上、解決すべき点
4.1. 前提
いよいよ電子船荷証券の実用化が見えてきたので、船社手仕舞実務上問題になるであろうと思われる事項を指摘したい。
ここでは前提として船社独自の船荷証券情報(だけでは無いが)ネットワークと貿易金融決済ネットワークが併存する状態を前提にする。