3. 非メンバーとの関係
3.1. 非メンバーが船荷証券の譲受人となる場合
EDIシステムの中でメンバー以外の者が電子船荷証券の譲受人になった場合の対策として3つの方法が考えられる。
ア) 強制的に紙の世界に戻す。紙の船荷証券が発行されるため、法的な問題は少ないが、裏書きの連続性等の問題や実務的に問題が多い。
イ) 要請があった場合のみ紙の船荷証券を発行する。私的契約により拘束されていない非メンバーとの間に紙の船荷証券が存在しない状態になるの法的に問題がある。
ウ) 一切紙の船荷証券の発行を行わない。但し法的にも、実務的にも難しい。
もし、電子船荷証券を発行した後に紙の船荷証券を出す場合、船社のコンピューター・システム及び手仕舞マニュアルはかなりの変更を必要とするであろう。特に船荷証券の流通過程の途中で紙の船荷証券を発行する場合、(4)4.で指摘するような問題点を解決しておかねばならず、対応方法によっては複雑な対応が必要となる。
3.2. 船荷証券の流通過程の途中で紙の船荷証券に切り替える場合の問題点
船荷証券は必ずしも積み地で発行する訳では無く、通常は荷送人の都合の良い場所で発行される。
日系企業のグローバル化、東南アジアヘの工場進出、シンガポールのLogistic Center化等により、例えば、バンコック積み貨物の船荷証券をシンガポールや東京、大阪で発行する場合も増えてきている。
こうした事態を受けて、大手船社では多少時間が掛かるものの、主要拠点ではオンラインで船荷証券情報が取り出せる用意が出来ている。
しかし、船荷証券の流通過程で文書化するとなると、いつもいつも、こうした電子船荷証券の譲受人のいる近くに運送人の店処があり、オンラインで船荷証券情報が取り出せるとは限らないであろう。又、発行要求権者、署名者の問題と裏書きの連続の問題がある。