4. その他のメリット
4.1. 保存書類削減
船荷証券関連費用削減の観点からすると船荷証券を電子化する事のメリットは、例えば「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿類の保存方法等の特例に関する法律」(電子帳簿保存法、1998年7月施行)により、紙による保存が不要になれば、その効果は極めて大きなものがある。
現時点では事前に承認を得たコンピューター・システムによって一定の条件下で会計帳簿を作成すれば、国税庁の規定する「船荷証券コピーの文書保存」が不要となるのか未確認であるが、同法に関する基本通達によると、既に帳簿をマイクロフィルムで保管している場合は、それとの選択になる、とされているので、国税用文書保存は不要である公算が高いと思われが、もし必要と言う見解ならば、是非とも不要とすべきであろう。この点は貿易手続関係の経費が、こうした分野でも発生しており、これら費用削減のためにも可及的速やかに電子化されるべきである事を改めて要望しておきたい。
4.2. その他の船荷証券保存費用
船荷証券コピーを電子の形で保存しても良い、となれば、直接の印刷費用の削減となるだけでは無い。紙で保存する、と言う事は何時でも取り出せる様に整理した状態で保存する必要があり、そのために一船単位に船荷証券番号順に整理する手間も必要となるなど関連費用も決して少なくない。更に保存の為のスペースも削減出来る。その経費削減効果は大きく、現在船荷証券の電子化を行っていない船社にとっても電子化への大きな誘因となるので、船荷証券の電子化進推の後押しとして是非とも行って欲しい措置である。