* 安全性は見えないが、受信時もIC-CARDによるチェックが必要。
* DHLのように現在書類がどこにどのような状態であるかトレースできるようにしたい。
* 電子署名の証拠能力、B/Lの譲渡担保としての位置付けや所有権の管理移転基準についての法律的有効性に不安がある。
* 送信したメッセージに対して受け取りメッセージが不可欠。
* メッセージに対して受信者側、送信者側のそれぞれから見た番号付けがあり、検索できることが望ましい。
* メッセージの暗号化が必要。
* 回線速度の向上。
* このプロジェクトの成果を今後どのように生かすかが重要である。
98年度後半、更に大規模な実験を次年度に行うべく「貿易金融EDIガイドライン検討プロジェクト」(略称POST-EDEN)が動き出した。今後、通信、認証、データの標準化等の分野でさまざまな議論が展開されることになろう。
7 荷主からの評価
物流はほとんどの業種との接点を持つ。それだけに、各分野の企業がそれぞれのエゴで独自の規格を押し付けると、全体としては非常なコスト高を招くおそれがある。この観点から多いに発言して行く必要があるだろう。
BOLEROは当初の段階では、交換されるデータの中身は問わない、と言っていた。確かに実験段階ではそれも良いだろう。が、トレードチェーン毎にデータの構造、要素が異なるとなると、多分野にサービスを提供する物流、金流分野では負担が増大することになる。
筆者はこのように述べてきたが、最近になって、99年4月以降早日に検討を開始したい、と言ってきた。現状のままだと、「封筒だけが標準化された電子書留め」(それはそれで便利なものには違いないが)に過ぎない。標準化無きEDIは、企業間通信の原始時代へと逆行するものである。
また、関係者間でルールブックに署名すればすべての問題点が解決するわけではなく、今後とも国内法整備とともに国際間でも安心して電子商取引が行える法的、技術的環境整備に向けて努力して行く必要がある。(第二章II参照)