BOLEROはルールブック制定に当たり、主要13ケ国の弁護士等に各国の法制度との対立・矛盾がないか、徹底的に調査したとのことである。このため多額の費用が発生しており、ルールブックそのものおよび各国法制度の調査結果に関しては厳重な守秘義務を課している。ご覧になりたい場合には下記ホームページに"Non-disclosure Agreement Form"があるので、これに署名して送ると送付してもらえる。
http://www.boleroltd.com/
筆者もこの方法で入手したものであり、残念ながらルールブックの内容について述べる
ことができないので、考え方の概要について、他の方法でも入手可能な範囲で述べる。
これまでのCMI規則、MANDATE、EDIBOL等の成果を踏まえ、各国の制度と抵触しないルール策定の骨子は
1] 参加者全員が、「ルールブック」に署名すること。
2] 参加者は、交換される書類が電子データであることをもって異を唱えない。
という2点に絞られる。これさえうまく行けば、紙のB/Lと同一の機能を果たすことができる、と言う訳だ。但し、各国法の中には、当事者の合意を越えて強行適用される場合が無いか、更に念を押す必要があるかもしれない。
(3) BOLEROの提案(3)通信
導入実験では、すべての通信はインターネット経由で行うこととされている。
商業運用に移行した後(99年4月予定)は、VAN事業者経由も受け付ける、とのことである。BOLEROは通信に関する部分の標準化を行う、としており、今後料金的にも安価で、誰でも参入できるインターネットを有力な事業基盤と考えていることは間違いないところだ。
(4) BOLEROの提案(4)公証・認証
BOLEROはSWIFTとT.T.CLUBが出資していることは前に述べたが、SWIFTは日々2兆5千億ドルの資金移動に関するデータ交換に利用されているが、今まで事故は絶無である。この高い信頼性をもとに、ネットワーク構築も公証・認証も任せてくれ、ということである。