2) BOLEROの関係者は?
98年設立されたBOLERO OPERATIONS LTDの所有者は、T.TClubとSWIFTである。
T.TClub(Through Transport Mutual Insurance Association Ltd)は5,000以上の加入着を持つ輸送業者の相互責任保険機構であり、SWIFTは6,000以上の銀行が参加する決済情報等の交換機構である。
BOLEROのユーザーは、国際貿易に関連するあらゆる当事者である。すなわち、輸出入の貿易業者、メーカー、輸送関連サービス業者(船会社、NVOCC、航空会社、およびそれらの代理店)、海貨業者(フレートフォワーダ)、通関業者、銀行、税関、港還業者、港湾局、銀行、保険会社、等々である。
3) BOLERO提案の概要
(1) BOLEROの提案(1)BRS
BRS(Business Requirement Specifications)は、BOLEROが広く世界に意見を求め、拡販する目的で作成された書類であり、現状分析、提案内容、BOLERO実現による効果、等をアピールし、その導入を促す内容となっている。以下にその一部を見てみよう。
BOLEROは国際貿易に関連するEDIの現状を次のように記述している。
「国際貿易に関するEDIの試みは多くなされてきているが、企業間の個別EDIであったり、業界毎、国毎のEDIに止まっている。その原因は、国際貿易・物流を統一的に取り扱う国際条約がないこと、国毎に法体系が異なり、安全にEDIを行える環境にないことである。」
だから、としてBOLEROは次のように提案している。
「国際貿易に関係するすべての当事者が、EDIを行える安全でシームレスなプラットフォームを提供する。そのため、
1) 安全確実なデータ交換を行える技術的環境を用意すること
2) 当事者が各国の法体系に照らしても電子的取引が紙ベースの取引と同一の法的効果を及ぼすような環境を用意すること」を提唱している。