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品を製造するために必要となる構成部品をリストアップし、それぞれの所要製造時間(同数)を考慮し、生産計画がある程度の変更を余儀なくされることを見込んで各部品の適性在庫量を計算する。

生産の段取りを考えると、ある工程を経てからでないと次の工程に進めない、ということがある。そのような隘路(ボトルネック)となる工程ではどれほどの人、機械を投入すべきか、前後の工程との段取りを考えないと一つの工場の生産計画も立てられないことになる。

次に販売を考えてみよう。企業の大切な三要素は、ヒト、モノ、カネと言われる。(これに最近は情報を加え、四要素としていることもある。)しかし、いかなる企業にとっても最も大切な要素は顧客である。顧客が購買のために店に足を運んだ時に買いたい商品が「切れている」(欠品)ことは、最も避けなければならないことである。

「絶対に欠品を起こさない」ためにはどれほどの在庫が必要であろうか?店舗のスペースは限られている、とすれば倉庫を出来るだけ店舗の近くに多数配置すればよいか?ところが、分散配置すればするほど全体の数量把握が困難になる上、コストも増大する。特に個客といわれるほど一人一人に少しずつ異なる商品を提供せねばならない状況であちこちの倉庫から商品を積み出していては効率も悪い。大型のディストリビューションセンターに集積した方がよいことになる。

商品は国内で製造されているだけではない。海外で製造されている商品や、海外で製造され、国内で最終的な加工が行われる商品もある。これらを適正に管理し、コストを増大させず、欠品を生じさせないために物流管理は不可欠な要素となってきた。かくして、製造、販売、物流の全体を通して最適化を図ることが重要になってきた。サプライチェーン(これを調達側から見ればデマンドチェーン)の登場である。

情報技術の面ではERPの登場がある。ERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアは、従来の生産、販売、物流、経理、人事、等の機能別(あるいは部門別)にバラバラに構築されていた情報システムでは迅速な意志決定が出来ないことから、これらを統合したシステムを構築するものである。どのソフトも当初は物流関係のモジュールは無いか極端に貧弱であったが、最近は専門ソフトを取り込むなどして強化が図られているようである。さらに企業間情報交換のツール、EDI機能を盛り込んでいる。

 

 

 

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