1.2 社会的背景と基本的な方向性
本調査の実施に至った社会的背景と、基本的な方向性を以下に示す。
1.2.1 社会的背景
本事業の実施に至った社会的背景を以下に示す。
(1) 海上起重事業の課題
下記の課題に対応した「海上起重事業」のあり方を検討する必要がある。
・海上起重事業の特徴:港湾・海洋施設整備に伴う作業船団による海上工事
・施設整備の課題:品質確保、建設費縮減
(2) 21世紀初頭の建設産業を取り巻く状況
・時代の変化:
国際化、情報化の潮流が加速する
一般競争入札化
VE、PM、PFI等の導入
・建設産業の変化:
外国企業の参入等に伴う国際競争への対応
価格、技術両面の競争に強い企業が生き残る
専門化の進展と能力向上
ネットワーク型企業形態(バーチャルエンタープライズ)
・情報化社会の進展:
情報通信基盤の飛躍的な発展
電子商取引等に係わる社会インフラの整備
パソコンの日常品化
(3) 海上起重技術の国際競争力の育成
・近代的な作業船:船内での情報の受発信 → 迅速な意志決定
・稼働率向上:国際マーケットの中での作業船の効率的な運用
・技術力向上:有効な技術情報を世界中からサーチ
(4) 情報化に係わる現状の課題
・電話、FAX等による作業船運行管理手法の限界
・情報化基盤の遅れ
(平成9年度実施の海上起重事業の情報ネットワークに関するアンケート調査より)
会員企業平均一人当たりコンピュータ導入台数 0.16台
会員企業平均ネットワーク化率 34.9%
会員企業平均インターネット接続 27.2%
うち、ホームページ開設 30.4%