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香港以外の中国メインポートから内陸への鉄道輸送については、97年10月より開始された五定列車の進展が期待される。現在のところ、スケジュール化された五定列車がすべて運行されている状況にはないものの、発車さえすれば、ダイヤに従って運行されることから従来の鉄道輸送の問題点は、かなり解消されると考えられる。

また、複合一貫輸送に必要である両端のトラック輸送を含めた諸サービスも「対外服務公司」を始めとする業者により提供されつつあり、良質で低廉な業者を選ぶことができれば、空コンテナの回収等のリスクも軽減する方向に進むことが期待できる。

 

(3) 自動車

道路輸送においてはインフラ面の問題が大きく、特に遠距離輸送を中心に

1] トレース、定時性、発着時間等の確保ができない。

2] 破損や盗難により安全性が確保できない。

3] 自家輸送が中心であったため、一般に小規模で地域に密着した業者が多く、高品質で広いネットワークサービスを提供できる業者は少ない。

というような問題点が指摘されてきた。

しかし、インフラ面においては高速道路の充実は著しく、また市場経済の導入とともに、他人の貨物を輸送し収益を得る「自動車輸送業者」も増加・充実しつつある。

そのため自動車輸送のサービス領域は徐々に拡充しており、今回の調査対象地域では、上海から400kmにある南京はすでに自動車輸送圏に、1000kmにある武漢にも自動車輸送が可能となり、重慶・成都にまで輸送圏内を広げつつある。

 

 

 

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