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例えば、溶岩は700℃以上だと赤くなるんだけど、500℃では止まってしまうとか、ということも聞いたりして、そうすると、一体流れている溶岩は赤くするのか、してはいけないのかとか、そういうのを先生方とキャッチボールをしながら作って行くのですが、この、今日たぶん、ご覧になって本当に赤いのか、ということを専門家の方は、おっしゃるんじゃないかと思って恐れているんですけれども、ぶっちゃけた話、誰も見た事が無いんだから、「まあ、赤くてもいいか」と、いう話なんですが、、、

これ、地質調査所の浦辺先生とかも、「いいや、赤でいこう」とかという話になりまして、、、いい加減なところも多少あります。ただ、何も殆ど適当に作った訳でもなくて、例えば、水が噴水によって熱いものと接した時にどうなるのか、とかと言うのもですね。原子炉の軽水炉のボイドの拠動を研究してらっしゃる方にも聞いたりして、どういう風に見えるのかと、これ一旦作るとですね、あとで作り直しがきかない、これが非常に大変なんですけれども、そういう本当に、生物はどうするかとか何がいるのかとか、各々、1つ1つ、先生方とのキャッチボールの中で作って言ったという事です。

それで、そういう機会も余り無いんでしょうから、取りあえずどういう風にして作ったのかという、先程、チラッと出てきて折りましたけれども、ご覧頂きながら説明したいと思います。

 

(ビデオを廻して頂けますか)(以下映像は略)

これが、非常にprimitiveなジオラマ的な模型を作りまして、これ東太平洋海盆の山頂付近の割れ目の1つ、と言う事なんですが、非常に小さなものでやるものですからサイズを出すのが非常に難しいのですね、それから、溶岩をどうするか、と言うのに非常に悩みまして、最初溶鉱炉のスラッジというのがありますけれど、あれを使うかとか色々考えたのですが、結局試行錯誤の中で洗濯糊に蛍光塗料を混ぜて、これはオレンジ色の蛍光塗料なのですが、それを混ぜて紫外線を当てて撮ったのですね、そうすると、こういう風に見えるんですけれども、でこれを素材として色んないわゆるdegital effectと言うんですが、色んなものを重ねて作ってくとこれが完成版です。ご覧下さい。

 

(以下映像ナレーションより)

こうして、海底の噴火の様子が次第に明らかになって来ました。これは科学者達が想像する海底噴火の光景です。太平洋の海底に横たわる巨大山脈、幅200mの谷底が永遠と伸びています。静かだった谷底に異変が起きます。吹き出したマグマは、川の様に一気に谷底を流れて行きます。そのスピードは速い所では時速30kmにもなります。マグマと同時に火山ガスの二酸化炭素や硫黄など様々な物質が地球内部から噴き出します。幅200mの谷底を数キロにわたってマグマがみるみる内に厚く埋めて行きます。〜

 

こう言う形で出来上がった完成版なのですが、専門家にお見せするのは大変に苦しいのですが、すでに放送しちゃったのですが、それから、もう1つの特撮の例をお見せしますが、アガシー湖という例のヤンガン・ドラエスキーのブローカー先生の仮説に基づく、「ダムの決壊」と言ううのを撮ったのですけれども、こういう発砲スチロールで氷を作って、上からドラム缶でザーと水を流して、それを色んなハイスピードのカメラとかそういうものを使って仕上げて行くと言う事なんです。

これもそうですし、一般の方々は例えば海底でどういうことが起きているのかを殆ど知らない訳で、こういう映像を見ることによって、やっぱり、そういうことが起きて居たのか、という実感出来るというそういう視聴者からの反響の中にもかなりありましたけれども、テレビというのは映像メディアですから、どうしてもこういうものを非常に大事にしたいなと、特にこういう難しい話をする場合はですね、これも深層海流の話で非常に難しい話だったんですけれども、視聴者からの評判は非常に良かったですね。

 

 

 

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