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ドイツの大陸深掘削プログラム(KTB)
ロルフ・エマーマン
ドイツ、ポツダム市
ドイツの大陸深掘削プログラム(KTB)は、超深度掘削孔を利用してより深い地殻の特性と作用を調査するために計画された。主な研究課題は、
・地球物理学的構造と現象
・地殻応力場と脆性―延性移行
・地殻の熱構造
・地殻内流体と移動過程
・中央ヨーロッパバリスカン基盤の構造と発達過程
プロジェクトはいくつかの段階を経て実施された:まず、準備段階(1982-1984)、実施場所選定(1986-1986)、そしてパイロット掘削孔を4000mまで掘って、1年間の試験も含む導入段階(1987-1990)がある。主要段階(1990-1994)では、超深度掘削孔は最終的に9101mの深さに到達し、温度が270℃となった。ケーシング無しの裸孔部分での3つの連続した大規模実験が行われた。
最終段階(1996-2000)では広くアクセスの可能な2つの掘削孔が深部地殻実験室として使われる。そこでは3つの一般的なタイプの実験が計画されている。すなわち(1)異なる温度での時系列的に変化する物理パラメータの記録、例えば、地震活動度、潮汐影響、変形そして温度分布(2)能動的励起による実験、例えば、VSP、電気電導もしくは流体実験、そして(3)両方の掘削孔を利用して物理パラメーターの非等方性調査を高分解能で行なえるクロス・ホール実験である。
その中で特筆すべき結果としては、
・応力テンソルの連続した全体のプロファイルが得られた。
・KTBのメイン孔が現在の脆性―延性移行に入っているといういくつかの証拠が得られた。
・掘削された地殻コアからは大量の自由流体が、中間地殻深さにまで達していることがわかった。
・高角度の地震波反射測定により、地殻上部の変形パターンが描写された。
・剪断部での2次グラファイト(+/-硫化物)により地殻の電気特性が明らかになった。