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マントルプルームのダイナミクス

解明を目指して

 

● Takahashi et al(1998)のモデルを更に検証するためには、沈み込んだエクロジャイト(MORB)がマントル物質の上昇流にどの深さでいかにして取り込まれるかを解明する必要が有る。

 

● 我々は超高圧発生装置を用いて地球深部のマントル物質(ペリドタイト)とエクロジャイトの相平衡、状態方程式を求めつつある。

 

● 地球深部からのマントル上昇流(マントルプルーム)がハワイなどの海洋島ホットスポット火山の源である。

 

● マントルプルームは地表付近のプレート運動に左右されないため、ホットスポットでは一億年以上に亘って一カ所に火山ができ続ける。

 

● マントルプルームの起源は現在の固体地球科学最大の未解決課題の一つである。

 

● マントルプルームの活動開始には特に温度の高い巨大な上昇流が地表に達し、洪水玄武岩マグマを噴出する。

 

● インドのデカン高原、西太平洋のオントンジャワ海台等は特に大きな洪水玄武岩の噴出例である。

 

● 洪水玄武岩を起こすマントルプルームは周囲のアセノスフィアより少なくとも300℃以上高温であると考えられてきた。

 

● 地球上で最も若い洪水玄武岩である米国のコロンビアリバー玄武岩について高温・高圧実験を行い、Takahashi et al(1998)はプルーム中で融解している物質が10億年以上前に沈み込んだ海洋地殻である事、プルームの温度は100℃程度しか高くない事を示した。

 

FIG.1

 

 

 

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