(FIG-12)
こう言う事で2500m迄の段階と、このプロジェクトの最終目標であります4000mの掘削と言うのは、当面どう言う所が考えられつつあるのか、と言う事でありますが、先ず、第1段階の2500m位迄の所では、その気候変動、早い堆積で、長い、約2億年前からの地球の環境変動を調べると言う意味で、こう言ったところ、あるいは、ま、ここは日本海の成因であると思いますが、この他に先程言ったオントンジャワ海台、こう言った様な所がまず当面調べて行きたいと希望されている所ですし、それを超えてさらに4000mが可能になりますと、ソマリ海盆の様な所、あるいはベンガル湾、こう言った所で、さらに地球の長い歴史についての詳しい情報が得られて行くだろうと、言う風に期待されている訳であります。
(FIG-13)
これは既に多くの方々のご紹介にありました様に、これは決してこのOD21と言うプログラムだけではなくて、現在進められているODP、POST ODPとして、これはある意味では、単管掘りと言うのは制限がありますが、非常に沢山の掘削を展開する事が出来る大きなメリットがあります。ですから目標に拠りましては、この単管掘りをさらに続けたいと言う多くの研究者がおられます。そこで、アメリカではPOST ODPとして現在のJR号に続く計画を今考えておる訳です。それと今申し上げました日本が提案をし、今建造に取掛かろうとしているこのプロジェクト、これを一緒に致しましてIntegrated Ocean Drilling Program(IODP)と言う新しい全世界的なプログラムに組み立てようとしている訳です。と言う事は、当然、今迄以上の研究者が参加出来る事になりますし、今申し上げた様に研究分野もかなり拡げて行く事が出来る訳であります。そう言う事で、日本の中の国内研究体制もさることながら、全世界的な研究の協力体制、これを、さらに組み立てて行く事が非常に重要な訳であります。つまり、地球科学と生命科学を世界的規模で、展開すると言う事がこのIODPと言う事になるかと思います。
以上で、私どもが今多くの皆様方の税金を使ってこういう研究を進めたいという事は、これも今の事で、もし、お分かり頂ければ、決してこれは単なる研究者のための研究ではなくて、地球システムと言う事を理解し、将来、私どもが21世紀を賢く生きて行く為に、是非ともやらなければいけない研究課題であろうと、いう風に考える訳です。
以上でございます。