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3. 講演内容

 

1. 冒頭挨拶

 

海洋科学技術センター平野理事長

22カ国が参加しているODPは2003年に終了するが、そのポストODPの勉強を始めたのが9年前。その間、科学技術庁、文部省、海洋研究所、奈須先生の検討委員会、NSF等の支援・協力を得てきた。昨年、航空・電子等技術審議会で推進すべきとの報告をいただき、11年度予算政府原案に地球深部探査船の建造が総理大臣の特別枠、総理の指示として盛り込まれた。国会、学会、マスコミからの支援もいただき、お礼申し上げる。

OD21は、40年来の科学者の夢であるマントルまで掘ることを目指したもので、輝かしい成果をあげているODPを受け継ぎ、ライザー掘削船と従来型掘削船の二船体制を目指している。その概要を知っていただくのがこのフォーラムの目的。

本計画は古環境、地震、メタン・ハイドレート、地殻内生命圏など目的は広い。それは科学的成果、環境、エネルギー、防災などに活用される。これからも技術開発、運用・研究体制、資金の確保など容易ではない難関がある。広い国民の支持を得るとともに若い研究者に知ってもらう必要がある。

 

科学技術庁池田研究開発局長

深海掘削については国内的には科学技術庁、文部省、海洋研、JAMSTECが協力している。水深2500〜4000mの海底から7000mの掘削能力を持つ地球深部探査船を開発し、ODPの後継計画としてIODPを提案しており、大切な事業と考えている。

新しい掘削船は約600億円の建造費を要し、あらかじめ評価を行うため多くの先生によって検討され、科学的に大きな価値があり、社会的にも貢献するとの評価結果を得て、11年度予算政府原案に盛り込まれた。これが首尾よく国会承認されれば、きちんと運航ししっかりした研究成果を出す体制を整備していくため、国民的にスクラムを組み、若い研究者に積極的な関心を持ってもらうことが大事になってくる。これらの取り組みは科学技術庁と文部省が省庁統合してますます強化される。このフォーラムが研究者に大きな刺激となることを期待する。

 

文部省学術国際局吉尾国際学術課長

宇宙の果てや物質の構造など未知の領域が狭まっているが、海には未知の領域が広く残っている。1975年に国際深海掘削計画に日本が参加して大きな役割を果たしてきた。ODPは、日本では海洋研を国内の中核機関として170余名が乗船しており、日本海での長期孔内計測、メタンハイドレートの掘削などの成果を上げている。

今後、深海掘削を将来の糧とする若い研究者の育成が課題である。ODPを推進してきた文部省とOD21を推進してきた科学技術庁が2001年には統合され、従来以上に強力に連携していく。

 

 

 

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