5. 費用対効果および将来的な経済波及効果があると認められるか。
この問いの内容は私の推測能力の限界を越えている。この計画は地震災害や短期的、長期的気候変動に関して、新たな基本的知識をもたらしてくれる。この新しい知識は、各国および国際的な政策の立案に対し、また、民間および政府が種々の計画を策定するに当たって重要な指針を与えるはずである。
6. IODPを2003年から実施することが適切であると認められるか。
A. 認められる。
現行ODPは、その野心的な科学目標のうち多くが達成されないまま、2003年をもって終了することとなっている。このことを念頭においた上で、IODPが提案され、ライザーとノンライザーの両方が必要とされているのである。二船が必要となるのは以下の理由による。すなわちライザー船は優先順位の高い、少数の掘削地点に焦点を当てて掘削を行う。そしてライザー掘削の場合、大抵は予定掘削深度に達するのに長時間を要する。一方、ライザーを必要としない多くの科学目標については多地点を浅掘りすることによって対応するのである。本計画を2003年から実施するというタイムスケジュールは、ライザー船の運航開始に向けて船の設計、建造、艤装を行うのに必要な時間を積み上げた結果である。
7. 以上を総合的に勘案してこの科学掘削計画を実施すべきであると認められるか。
A. 認められる。本計画を実施すべきである。
OD21は、他の方法ではアプローチできないような、我々の惑星活動に関する基本的な疑問に切り込むための唯一の手段を提供する。日本は本計画を実施することにより、この地球システム科学の重要な分野において、技術上および科学上のリーダーシップを示すことになろう。