(5)ガスハイドレートの成困と安定性
1000m以深の大陸斜面にガスハイドレートの層とその下にフリーガス層が大量に存在することが知られてきました。未知の巨大な炭素シンクとしての炭素循環システムにおける位置付け、地殻内生命との関係、崩壊した場合の環境への影響などを解明するには炭化水素存在域での掘削が可能なライザー掘削が必要です(図46)。
ガスハイドレート層の崩壊メカニズムとして、寒冷化による海面の低下、又は、温暖化による海底付近の水温上昇などが考えられており、崩壊した場合には大規模な海底地滑り、大気への温暖化ガスの大量放出や海中の酸素欠乏等の環境変動を招く恐れがあります(図47)。