日本財団 図書館


4. これまでの深海掘削での限界は何か?

 

これまでの深海掘削において、従来の方式では解決困難な問題として次のような点が指摘されています。

 

(1)炭化水素の存在域(科学掘削が不可能な地点の存在)

科学的に重要な厚い堆積層にはメタンなどの炭化水素が存在することが多いため、海洋汚染となる噴出の恐れがある地点では、掘削そのものが行えない状況にあります。また掘削途中で油兆が見られた場合は、掘削が中止されています(アマゾン川海底扇状地での掘削制限の例:図12)。

 

アマゾン、ミシシッピ、インダス、ベンガル

巨大海底扇状地は高解像度の地層保管庫

・・・地球環境変遷史を探る上で重要

 

現在の技術ではせっかくの保管庫をうまく使いこなせない。

●炭化水素域(石油・ガス)の存在→ライザー掘削が必要。

010-1.gif

アマゾン川河口海底扇状地の海底地形と掘削孔(OPDLeg155)

 

図12 これまでの深海掘削の限界

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION