ソフト制御方法は論理タスク分解に基づいた階層構造方式になっている。タスクレベルは要素の動き(E-Move)に分解され、E-Moveはシステムの単動作に分解されたものである。その単動作は同時に推進器とアクチュエータのサーボループに反映される。
これまでは、ビークルのミッションとは接続されていなかったマンマシンインタフェースは、制御システムの各レベルのパラメータを容易に変更可能なように制御システムと同様の階層構造とした。
ビークルのミッションは、下記のベーシックE-Moveを用いて、ミッション要求に合致するように適切にプログラムされている。
・ ある場所への航行:選択可能な入力機能を用いて、望む速度及び水深のプロファイルを設定する。
・ イベントまで前もって設定された方向に沿っての航行:選択可能な入力機能を用いて、望む速度及び水深のプロファイルを設定する。
・ イベントまで位置、姿勢を保ったままのホバリング:選択可能な入力機能を用いて、望む位置、姿勢のパラメータを設定する。
・ イベントまで補助推進器を制御してのゆっくりとした動き:選択可能な入力機能を用いて、望む1次及びステップ状の速度のプロファイルを設定する。
この制御システムは、下記の様な緊急事態に対しても管理機能を有するようになっている。
- バッテリー及び/または電子機器の高温
- 耐圧部への浸水
- 主推進器の故障
- 船尾フィンヘの異物のからみ
もし、上記のアラームの一つが検知されたら、一つの非常用バラストが放たれる。ビークルが海面上まで浮上したら、自己発電型のアルゴスビーコンが作動する。全電力喪失時には非常用バラストが放出される。
5. 性能解析
プロジェクトの予定が極めて短時間であったため、そして、ビークルに単純な形状を採用したため、流体力学的模型実験は行わなかった。オープンループモード及びクローズドループモードの両方における動的挙動を評価するために、もともとROV用に開発されたコンピュータシミュレーションプログラムが使用された。このプログラムは流線型の艇体を取り扱うためのものとして開発され、論文(Kimber及びScrimshaw、1994及びFeldman、1966)に示されている結果に対して実験を行い、満足すべき結果を得た。