日本財団 図書館


5] 推進器及びアクチュエータ

主推進器は市販の水深1,500mで使用できるものを48VDC用に特別に改造した。高効率のDCブラシレスモータ及び電源と制御用電子機器が信頼性と据付けの簡便性の面から同じケース内に格納されている。コルトノズル付の6翼のステンレス鋼製プロペラは、最大出力時に265Nの前進推力を発生し、これは2m/sの速度をビークルに与える。

4基の補助推進器は主推進器に比べより小型ではあるが、主推進器と類似のものである。図2及び4に示すように、これらの補助推進機はビークルの内部に2基が水平用、2基が垂直用として取付けられ、正、逆方向ともボラードプルで110Nの推力を発生する。

これらの補助推進器用と同じDCブラシレスモータが、縦列の水平フィン及び垂直フィンを動かす2個のアクチュエータ用として使用されている。

6] 航法システム及び制御機器

“SARA”は、完全に自律型のビークルで、ミッション中は操作者との間での連絡、通信は行わないことになっている。それにもかかわらず、初回の海上試運転においては、音響リンクが使用されることになっている。これは最終段階で使われる予定のウルトラショートベースライン(USBL)音響航法装置で、現在試験中である。

航法システムは主として下記の機器に基づいている。

・ ドップラースピードログ(RD Istruments社製、Workhorse Navigator、300kHz)

・ モーションリファレンスユニット(Honeywell社製、H61700-IMU)

・ 水深計(Paroscientific Digiquartz)

・ GPS

この他のセンサが特定の目的のためにビークルに装備されている。

- 障害物検知用音響装置

- 海底トラッキング用音響式高度計

- 海氷からの垂直距離を測定する上方用音響測深機

航法システムは、慣性システム、ドップラーソナーログ、及び水深計からの出力と融合して、固定点からのビークルの位置を示すものである。固定点の絶対位置は、ビークルは海面上にいるときにGPSにより計測される。

制御システムはLynxのオペレーションシステムで、マルチタスキング、リアルタイムの操作システムが装備されているパソコンをべースにしている。

制御システムは工業用のPower PCワークステーションで、オペレーションシステムにはマルチタスクリアルタイムのLYNXOSを使用した。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION