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図2.2-2 自律型無人潜水機試験機「SIRENE」(1997年報より抜粋)

 

(7) 続いてセンターの施設見学を行った。しかし、軍港に接近しているという制約もあり、施設内外の撮影は禁じられた。見学した施設は以下の通り。

a) 屋外大型実験水槽

屋外に深さ約10mの屋外大型実験水槽が設置されていた。地面を掘り起こして設置されたタイプの水槽で、水槽内の水は隣接する海から取り込んだ海水を使用。

b) 実験および工作施設

屋外大型実験水槽のすぐ前に、実験および工作施設がある。実験場では3,000m級有人潜水船「Cyana」、自律型無人潜水機試験機「SIRENE」、それと現在開発中・建造中のAUVのフレームを見学する事が、工作施設では6,000m級無人潜水機「Victor」に搭載されたマニピュレータの陸上試験施設を見学することが出来た。

3,000m級有人潜水船「Cyana」は全長5.7mと当センターが所有する「しんかい2000」と比較して大変小型な有人潜水船ながら、最大深度3,000m、操縦者2名、研究者1名の搭乗が可能であること、また、今も搭載機器が改良され続けているとのことで、油漬け圧力容器に取り付けられていた透明なアクリル板の蓋から見られた2次蓄電池が印象的だった。

また、自律型無人潜水機試験機「SIRENE」では圧力容器にゴムモールドタイプの水中コネクタが多用されていた。当センターが所有する「かいこう」、「しんかい6500」等では高価な電子機器や蓄電池などを収容した重要な圧力容器には、耐水性・耐水密性に優れた油漬け均圧コネクタが使用されている。そこで、以前にこのようなゴムモールドタイプの水中コネクタを圧力容器に使用して、漏水等の事故は起きたことはないか尋ねたところ、重要な2次蓄電池の圧力容器に故障が生じた経験がある事を話してくれた。彼らも油漬け均圧コネクタの高い耐水性・耐水密性は知っているが、この「SIRENE」は技術試験機なので、そういった水中コネクタの性能も実験しながら試験を行う事にしているとの回答であった。

工作施設にはNC旋盤など、自分達だけで試験装置の加工が可能なほどの工具・装置が、またパイプ、アルミ板などの豊富な在庫が壁際にきれいに積み上げられていた事も印象的であった。

 

 

 

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