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写真10は回流水槽で、diffuser、flow straightener、test section、end return tankを含めて、30mの流路がある。test sectionの長さは、16mで、断面は1.1m×1.1mである。このtest sectionは、±1°まで傾斜することができる。また、コンピュータ制御によって、一様の、あるいは、2層に分離した1.3m/sまでの流れを作り出すことができる。これまでに行った実験をいくつか説明してもらったが、中でも、アシカやアザラシ、ペンギンなどを、San DiegoのSea Worldからつれてきて、こうした水棲哺乳類の、遊泳の流体特性や、酸素消費量などを計測した実験の話が印象的だった。

他に、内径3.0m、深さ10.5mの水槽を見学した。この水槽には、太陽光を模擬するための10kWの照明装置が上方に取り付けれており、海水中の微生物などの食物連鎖の実験などに使われるとのことであった。CTDを計測する無索無人の小型ビークルが実験中であった。このビークルは、上下方向にジグザグに進みながら、計測を行い、巡航速度は0.5knts程度で、深度1000mまで使用でき、音響測位と、GPSによる測位で、位置を計測するとのことであった。

 

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写真2.2-10

 

2.2.3 FLIP

対応者Tom Golfinos船長、Dag Richardson 1等航海士

FLIPは、周知のようにFloating Instrument Platformの略で、バラストタンクに注水するとちょうど釣りの浮きのように海面に直立し、荒い海象下でも安定したプラットフォームとして機能する海洋観測船である。中央部のくびれた部分が喫水線となって水線面積を減らし、淡水部の付加質量が負となるような、いわゆる波なし形状をしている。

FLIPの主要目は以下の通りである。

全長:355フィート

幅:20フィート

喫水:11フィート/300フィート(垂直状態)

排水量:1,500トン(垂直状態)

乗組員数/研究者数:6/10

建造:1962年

(推進能力を持っていないので、航海速度と航続距離は、曳航船に依存する。)

 

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写真2.2-11 岸壁にて

 

 

 

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