このことにより、デリックにはライザーを揚降する時大きな動的荷重がかかる。
750トンフックロードから1000トンへ機器をアップグレードすることは、オペレーション可能な海象限界を改善する。
デリックとサブストラクチャー
デリックには、完全に2系統で同時に掘削作業ができる装置(ドユアルシステム)が装備される(特許申請中)。
即ち、第二のドリリングパッケージを従来の単式掘削リグに付け加えることになるが、これらをPrimaryとSecondaryという風にこれ以降では呼ぶ。
デリックとサブストラクチャーは、次のようなオペレーション荷重条件に従い動的に設計される:
Hook/Rotary Load(kips)-Primary:2000
Hook/Rotary Load(kips)-Secondary:2000
Overhead and Traveling Load(kips)-Primary:100
Overhead and Traveling Load(kips)-Secondary:100
Crown Load(kips)-Primary:2100
Crown Load(kips)-Secondary:2100
Drill Pipe Setback(kips):2×1250
Casing Setback(kips):1000
Tensioner Load(kips):2×3200
デリックは、パネル溶接構造物(?)で、その構造は電気メッキされた鋼梁から成る。
全体寸法は、226'高さ×80'×80'ベースと20'×60'トップである。
2つの完全な掘削機器パッケージで、2本同時の掘削作業が出来る。
ドユアルシステムはTransocean Offshoreによって開発されたユニークな掘削方法であり、これにより、1本の井戸に関連する掘削作業をいちいち順を追って実施する必要はなく平行作業で出来るようになる。
ドユアルシステムは、クリティカルパスを減らすことと、大水深での試掘と生産用掘削の効率を改善するために設計された。
次のことを認識することは重要である。即ち、既存の深海用掘削船は750トンデリックとサブストラクチャーを有し、それにより98%の重量を負担する浮力材を付けた7,500'-8,000'ライザーストリングを揚降できるが、しかしストリングを揚降出来る海象は間違いなくかなり限定される。
ライザーストリングとBOPの重さは、ほとんど750トンに近いので、船のヒーブ運動と急激な揚降停止による動的荷重は非常に小さくしなければならない。