潮流が表層域のみでかつ大きいとき、ライザーには大部分の長さに渡って表層潮流と逆方向に対抗するような荷重がかかる。
もしライザーが掘削船のどこかと接触することを防げないならば、そのライザーと掘削船は接触荷重に耐えられるように補強されなければならない。
また、ライザーに曲げモーメントが生じないように注意しなければならない、特に接触点で。
曲げモーメントを減らすために、中間フレックスジョイントまたはストレスジョイントをちょうど掘削船の船底の下に設置することがしばしば要求される。
上記の条件が適用されるとき、ライザーは、本管の肉厚は0.812"、カップリングは2500kip、チョーク/キルラインは4 1/2"ID、15ksiとなる。
水深7,000'では、52 1/2"ODの浮力材が装備され、それで浮力材付きライザー部5000'分の水中重量の98%を支えている。残りの2000'ライザーには下端まで浮力材はない。
このことは、本ライザーは、水中で切り離された時、完全に浮力材を取り付けたライザーに比べてずーっと重いことを意味する。
部分的に浮力材を付けた7,000'ライザーストリングの総重量は、約780kipsである。
10,000'水深のケースでは、同じ設計手法でライザーストリングの水中重量は952kipsである。
BOPスタック全体の水中重量を加えると、全ストリングの重量はおよそ1500kips(静的)になる。
上端の引張力は、この場合、まだ2500kipsである。
下部の2,000'部分に浮力材のないストリングを降下させることは、その先端に大きな錘をぶら下げたことになる。このことで前述した強制切離しのケースでの問題を解決する。その問題とは、ライザーに圧縮力が働くこと、船体のムーンプールの壁に接触すること、表層潮流が大きいときにドリフトオフが発生するとストリング下部の「対抗潮流影響」により非常に大きな曲げモーメントが発生すること等である。
ライザー関連の能力アップ機器
テンショナー ─能力は、従来の深海用ライザーの設計─全長に渡って浮力材を付け98%の浮力を稼ぐ─よりも相対的に大きくなるに違いない。
これは接続時にライザーを比較的まっすぐにするために必要である。
また7,000'の中の泥水比重は17.0ppgの設計となり、引張り力も増やさねばならない。
さらに、ライザーストリングの高強度ということを生かすために、2500kipsの最大引張力は達成させねばならない。