メキシコ湾の油井で5,000'水深を超える海域での掘削深度対泥水比重の関係図を、Figure 1に示す。
その図は、海底面下10,000'から12,000'で泥水比重変化の範囲はせいぜい3ppgであることを示している。
ライザーの設計にあたり、泥水比重を水深7,000'で17ppgに、水深10,000'で15ppgにして設計すると、そのライザーは将来の深海海域での試掘に使える。
API RP16Qは、一般的に認められたライザー設計・解析の唯一のガイドラインである。
API RP16Qによれば、長尺な結合ライザーではグローバルな座屈が生じないように、ライザー上端の引張力を適切にする必要がある。
特に、ライザー張力はいつも正でなければならない。たとえ1基や2基のライザーテンショナーが、それらがアキュムレーター一つを共有しているかどうかに拘わらず、突然故障しても。
これらの条件は、泥水重量、浮力材、テンショナー容量を相互に関係づけている。
さらに、引張力は、ライザーの撓みをコントロール出来るように適切でなければならない。特に上端と下端のフレックスジョイント角度を制御できるようにしなければならない。
これは、特に潮流が大きいとき重要になる。
最後に、ライザーに発生する応力は、許容範囲内でなければならない。
個々の設計条件のセットは、ライザー降下、揚収、強制切離しのそれぞれに状態に応じて個々に適用される。
長い、吊り下げられたライザーは、ライザー軸方向に大きなダイナミックな応答をする。
その吊り下げライザーと関連海中機器の質量は非常に大きい。
ライザーには普通浮力材を付けるので、見かけ上の水中重量は非常に小さくなる。
掘削船のヒービングによる軸方向の加速度により、ライザーには静的な吊り下げ荷重を中心に大きい変動荷重が生ずる。
これらの荷重は、テンショナーの安全荷重を上回らないように、あるいはライザーに圧縮力が発生しないように制限しなければならない。
大きな潮流状況の中で切り離されたライザーの撓みには特別な注意を必要とする。
ライザーを降下しているか、揚収しているときは、ライザーがその撓みにより船体構造と接触しないように確実にチェックしなければならない。
強制切離し時には、掘削船は一般的に表面潮流によりドリフトする。
ライザーは、掘削船のドリフト速さと同等の速さで水中を引きずられる。