Discoverer 534とDiscoverer Seven Seasのような深海用リグの典型的掘削機器は次の通りに要約される。
・ 0.625"板厚と2000kipカップリングのライザー、3"IDと15ksiのチョーク・キルライン。
・ 44"-47"ODライザー浮力材(ライザーは上から下まで浮力材付き)
・ 16×100kip wirelineライザー・テンショナー
・ 1 3/4"のdrill lineを使っている1×3000HP drawworks
・ 3×1600HPのMud Pumps
・ 650トン・デリック容量
・ 49 1/2"rotary tableとdiverter housing
・ 400か600kip in-line heave compensator
これらの船は、長さは約534フィート、ヴァリアブルロードは約7500トン、更にDPS用に2500HPのスラスターを6機装備している。
船のサイズ、機器、機器容量、構造等の全ての上限から、その稼動水深能力の上限は8,000'となる。
この上限の基本的な理由は、水深が8,000'を超えるとそれに対応する長いライザーストリングを、これらのリグでは効率よく、貯蔵し、揚収降下し、支持することができないからである。
現在オペレーターは、過去数年に水深3,000から6,000'の間で掘削に成功したために、さらにより深い水域に視線を向けている。
地震探査技術が改善されたので、深海域での油田発見の可能性が大きくなってきた。
高透浸率リザーバと孔井仕上げ技術改良のおかげで、油井からは20,000BOPDのフローレート、ガス井からは100MCFDのフローレートが可能になった。
現在485の鉱区が、メキシコ湾の水深7,000'以深の海域でリースされている。
水深が10,000'になると次の高いレベルのハードルをクリアしなければならない。故にそういう水深で稼動するには最新の掘削船が必要である。
次の数節において、従来の深海用掘削船設計からの発展と訣別について説明する。
ライザーと浮力材の設計
掘削出来るリザーバは地層内流体圧の大小によるが、それは掘削ライザー内の泥水比重との関係で決まっていた。
例えば、Discoverer 534によってうちたてられた(現在の)掘削水深世界記録の時には、泥水比重は14.5ppgに制限されていた。