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3.6 中排水量セミサブ型掘削船

例としてRBS6のような新しく進歩した設計の中排水量船体形状は、潜在的に多くの現存の大排水量設計を超える全体的な性能とバリアブル・デッキロード能力を有することができる。しかしながら、より小さな排水量は、環境から受ける力を大いに減じ、結果として2,500mまでの水深で従来通り係留することができる船舶となる。スラスタ・アシストを組み合わせた場合、そのシステムは、中程度の環境条件又は水深を減じることによって厳しい環境条件に適合することができる。

このクラスの新設計には、湾流から受ける力を減じるためにロアーハルの形状を最大限に活かしている、従来型の現存の設計では、10年湾流状態によって受ける力は10年ハリケーンで経験する位置保持力を超えている。湾流力がハリケーン力と等価になるまでロアーハル形状を有効に変形させて最大限に活かすことができる。長いポンツーンはまた、船体が潮流の方向と同じでない時には、大きな揚力と動揺力を発生する結果となる。

超深海セミサブの係留の設置は、現在の深海掘削船隊もその難しさを体験中であり、現在の多くのオペレータの関心事である。新設計において適切に指示された時、グレードアップ改造された船舶は体験中の問題点の殆とを回避することができる。グレードアップ改造された深海掘削船隊としては、設置作業中はアンカーラックから引き出さなければならない係留システムを大きくする結果となった。これは、作業ボート及びチェイサー・システムの作業量を極めて大きく増加させてきた。リグ上及びボート上の係留システムは両方、これらの多くのリグの係留を設置する間(使用できるように巧く設置のバランスを取る作業は非常に時間がかかる。)、通常殆ど能力いっぱいで作業している。多くの深海係留システムの設置と回収のためにオペレータにかかる費用は、DPシステムを利用するリスク費用をかなり越して高騰してきている。リグの係留のために十分なウィンチ能力を持った新造アンカー・ハンドリング船舶の支援を得た新造設計において修正されたこれらの問題点とともに、新しい超深海システムが多くの浅水システムの係留と同様に巧く配置できるように計画されている。

中排水量DPセミサブはフィージブルであるが、平均動力消費費用は、操業中の大排水量船型掘削船のその費用を超えているように思われる。燃料費用はそれほど大きくないが、厳しい環境状態において最近のディレートの10%を超えている。メキシコ湾や西アフリカのような海域において、厳しい環境状態はまれであり、通常燃料消費は許容できる範囲にある。DPセミサブは、外力方向に対する船体応答性が船型掘削船のそれと比べて影響をかなり受けにくいことから、燃料消費について船型掘削船より明らかに有利である。セミサブは、船型掘削船では容易に操業不能に繋がるような斜め方向の潮流や海象条件での運動性能に関する同様の問題点を経験しないであろう。

 

 

 

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